僕のおじいちゃんはおばあちゃんだ
「なぁ~っ…」
不意に海斗が話し掛けて来た。
黙って海斗の方だけを見る。
「…お前…生まれきて良かったと思ってる?」
………?
黙って目を見開いて海斗を見る。
海斗も黙って俺を見て、俺の返事を待つ…
俺は、目をそらし正面を見て
「…どうだろなっ!」
とっだけ言った。
海斗も、それ以上何も聞いてこなかった。
少なからず…
お互い何かを抱えて生きているのだけは分かった。
ポツポツ…ポツ
んっ?…雨?
「…ゆう!雨降ってきたみたいだな」
「ん~っ」
「どうする?ゆう…教室もどる?」
「えっ?……」
考え込むと…
「ゆう!ふけるかっ!」
「………」
「俺…バイクだから、乗せたるよ!」
無言で、頷いた。