僕のおじいちゃんはおばあちゃんだ



「なぁ~っ…」


不意に海斗が話し掛けて来た。


黙って海斗の方だけを見る。


「…お前…生まれきて良かったと思ってる?」



………?



黙って目を見開いて海斗を見る。



海斗も黙って俺を見て、俺の返事を待つ…



俺は、目をそらし正面を見て


「…どうだろなっ!」


とっだけ言った。


海斗も、それ以上何も聞いてこなかった。



少なからず…

お互い何かを抱えて生きているのだけは分かった。



ポツポツ…ポツ


んっ?…雨?


「…ゆう!雨降ってきたみたいだな」


「ん~っ」


「どうする?ゆう…教室もどる?」


「えっ?……」


考え込むと…


「ゆう!ふけるかっ!」


「………」


「俺…バイクだから、乗せたるよ!」


無言で、頷いた。



< 24 / 33 >

この作品をシェア

pagetop