僕のおじいちゃんはおばあちゃんだ
小降りの雨の中…
海斗のバイクの後ろに乗る…
今の俺と海斗…
周りから見たら…
どう映ってるんだろ!
仲の良い男同士?
それとも?恋人同士?
どっちでもないけど…
不意に、バイクが止まった。
古い建物の前……
海斗がヘルメットを取って…
「ここっ…俺が住んでるとこ!」
………
黙って建物を眺める。
安らぎ荘と書いてあり、大きな玄関が主張する…
バイクを下りて、海斗に入れよと誘導され、海斗の後をついて中まで入る。
入口の横には、公衆電話にある様な、お金を入れて通じる電話機があり、長い廊下の両側に何号室とか書いた扉が、いくつかあった。
「ボロいだろ!」
海斗が言う。
「電話もトイレも風呂も共同なんだっ!」
1人で、淡々と話し続ける。
少し歩いて…
201号室【永井】
と書いてある前で止まった。
「ここ…」
指を差して言う。
何で?海斗は俺を家に連れてきたんだろ…
「多分!誰もいないと思うから」
そう言って中に案内された。