もっと美味しい時間
一瞬にして、立場が逆になる。
ボスっと音を立てて私の横に座ると、ぎゅっと肩を抱かれ引き寄せられた。
「わぁっ!」
突然の展開に、思わず声が出てしまう。
許したら、いきなりこれ? ちょっと急すぎない?
そんなことを考えている間も、肩を抱いていた手は身体のラインをなぞりながら下がっていき、腰のあたりを撫でている。
次は何をするつもり?
恐る恐る顔を見てみると、ゆっくりと顔が近づいてきていた。
慶太郎さんと綾乃さんのキスシーンが、チラッと頭の中を過る。
「嫌っ、ダメっ!!」
両手で慶太郎さんの顔を押え、動きを止めた。
「百花?」
「キスは、まだダメっ!!」
「でも許してくれるって……」
「綾乃さんと話をして、お互いの気持ちにちゃんと決着がつくまで、キスも……エッチも禁止!」
自分で言っておいて、顔が真っ赤になる。
でもね、こういう事はきちんと伝えておかないと、強引な慶太郎さんに負けてしまう。
好きだから、愛してるから、抱かれてしまいたくなる……。
「わ、私だって、我慢……してるんだからね」
照れながらボソッと伝えると、慶太郎さんが苦笑した。
「そっか、百花が我慢してるなら、俺も我慢しないとな。でも、長くは我慢できないよな?」
そう言ってニヤリと口角を上げると、お尻をスルっと撫で上げた。
「キャッ!! 慶太郎さん、それ反則っ!!」
ソファーから飛び上げると、腕組して慶太郎さんを睨みつけた。