もっと美味しい時間
普段カナッペを作る時、大好きなフランスパンを薄切りにして使うのだけど、今日はお手軽なクラッカーを用意してきた。
あとはお手製のピクルス。今回は胡瓜、赤と黄色のパプリカ、オリーブの実を漬けてきた。
慶太郎さんが帰ってきたら、これらをクラッカーの上にパパっと盛り付ければ出来上がりっ!
以前、私が作ったピクルスを『旨いっ!』って食べてたし、きっと喜んでくれるよね?
何時に帰ってくるか分からないけれど、慶太郎さんと料理のことを考えながら待っている時間は、それほど退屈ではなかった。
でも時間は余ってしまうもので……。
特にすることもなくボーっとし始めた私は気づかないうちに、携帯の着信音に飛び起こされるまで寝てしまっていたようだ。
大慌てでバッグの中から携帯を取り出す。
「も、もしもしっ!!」
『出るの遅かったな。もしかして寝てたとか?』
「慶太郎さん? ね、寝てない寝てないっ」
『まっ、そういうことにしとくか。今、マンションの前に着いた』
「ほんと? じゃあ下まで迎えに…」
『いいよ、そこで待ってろ。すぐ行く』
「うん……」
一秒でも早く逢いたくて、下まで行くって言ったんだけどなぁ……。
でも、『待ってろ』と言ってくれる慶太郎さんの優しさも、それはそれで嬉しいし。
兎に角、あと少しで三週間ぶりに慶太郎さんに逢えるんだ。
嬉しすぎて鼓動の高鳴りがハンパないっ。心臓が破裂しちゃいそうだよっ!!
飛び跳ねるように玄関まで行くと、サッと身なりを整える。
「大丈夫? 変なとこないよね?」
自分で自分を確認していると、目の前のドアがガチャリと音を立てた。