もっと美味しい時間  

慶太郎さん、それ違反……
って、ホッペぐらいいいか、ちょっと嬉しいし。

横を向き慶太郎さんに微笑み返すと、私もチュッと音を立てて頬にキスをした。

「そこのお二人さん。俺がいること忘れてない?」

「あっ……」

忘れてたよ……。
慌てて慶太郎さんから離れても、すぐ慶太郎さん抱き寄せられた。

「いいか、京介。ここは俺の家だ。百花に何をしようと俺の勝手。お前が邪魔者なんだよ」

「慶太郎さん、そこまで言わなくても……」

京介を見て、ごめんと目を伏せた。

「いいよ百花、気にしないで。慶太郎の余裕ない姿見るのは実に面白い」

高笑いしてダイニングチェアに座ると、ふんぞり返って腕を組んだ。
京介、慶太郎さんを煽らないでよ……と思った時にはもう遅かった。
抱いていた私を軽く突き飛ばすと、憤慨しながらダイニングへと向かう。

「京介っ!! 誰が余裕ないって? いい加減なことを言うと、痛い目見るぞ」

「お前しかいないだろう、慶太郎。百花の事になると、会社ではクールで通ってるお前も形無しだな」

「百花、百花って、人の女を馴れ馴れしく呼ぶなっ」

人の女って……。
どう見たって、慶太郎さんの方が分が悪い。
京介も京介だ。
慶太郎さんを使って遊ぶのも、いい加減にしてほしい。

大きく溜め息をつくと、濡れている手を拭いて二人の元へ向かった。

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