もっと美味しい時間
「こんなことしていいの?」
そんなことを聞きながらも、慶太郎さんの顔は嬉しそう。
「だ、だって、我慢出来なくなったから……」
「勝手だなぁ。俺にはダメダメの一点張りだったのにさぁ」
「私はいいのっ!!」
いきなり慶太郎さんに飛びつくと、それをがっちりと受け止めてくれた。
大きな身体に包み込まれて、心の奥まで熱くなる。
やっぱり私には慶太郎さんが必要不可欠。
栄養剤? ビタミン剤? いや、それ以上の効果があるかもっ!
「今晩のために私、頑張るからね」
調子に乗って、言わなくてもいいことまで言ってしまった。
もちろん、その言葉を慶太郎さんが聞き逃すわけもなくて__
「百花がそんなに楽しみにしてるとは知らなかった。その期待に応えれるよう、俺も頑張るよ」
耳朶に触れ首筋に唇を押し当てると、チクっと痛みを放ち吸い上げた。
「やっぱ百花は色白だから、キスマークが真っ赤なバラみたいだ」
そのまま胸元にもキスしようとするのを、必死に押し止める。
「慶太郎さん、いい加減にしてっ!! 胸元は反則っ!!」
慶太郎さんから離れて、胸元を隠す。
ほんと、油断も隙もないとはこのことだ。
口をプーっと膨らまし怒ってみせると、慶太郎さんが可笑しそうに笑って立ち上がる。
「もうすぐ時間だな」
まだ座り込んでる私に手を差し出した。その手を取り立ち上がると、お互いを見つめ合う。
もう言葉は要らない。
ただ黙って、お互いの心を伝え合う。
目を瞑って慶太郎さんの心を感じれば、スーっと気持ちが穏やかさを取り戻した。