もっと美味しい時間  

でも何だか、言われっぱなしなのも癪に障る。
肩にある慶太郎さんの腕を解きソファーから立ち上がると、綾乃さんの前に仁王様よろしくドカッと立った。

「な、何よっ……」

怪訝な顔をして眉をひそめる綾乃さんに、ペコリと頭を下げる。
何も悪いことをしていない私が頭を下げるのはおかしな気がするけれど、そうせずにはいられなかった。

「綾乃さん、私、もっともっと強くなって、慶太郎さんを守っていきますからっ!! だから、安心していて下さいっ!!」

大声で捲し立てて言うと、満足気に顔を上げた。

あぁ~、スッキリしたぁ~。

ソファーに座っている3人が一瞬キョトンとすると、同時に笑い出す。

「もう、何なのこの子……、天然ちゃん? 慶太郎も苦労するわね」

「いや、これが百花の持ち味なんだよ。なぁ、慶太郎?」

「あ、あぁ。そうだな……」

あれ? 何? 私何か変なこと言った?
慶太郎さんが呆れてるみたいなんだけど……。
首を傾げて慶太郎さんを見れば、苦笑しながら立ち上がる。

「なぁ百花。もっと強くなって守っていくのは、俺の役目なんだけど? それに、恋敵に安心してって言うのもおかしくないか?」

「そうなの? だって綾乃さん、弱気な私がダメって……」

「分かった分かった。もういいよ」

そっと頭の上に手を乗せ、ワシャワシャと撫でた。
綾乃さんと京介は、まだクスクスわらってるし、慶太郎さんは困り顔。
よく分からないけど、まぁいいかっ。






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