もっと美味しい時間  

慶太郎さんが少し腰を屈めると、熱い目線が絡み合う。
いつにも増してギラッとした瞳に、怖さすら感じてしまった。

「いつ京介を誘惑した?」

そう言うと、乱暴なキスをひとつ__

「誘惑なん……んっ……」

反論しようとしたら、もう一度身勝手なキスをひとつ__

イヤイヤと顔を振って唇を離したら、空いていた片方の手で顎を掴まれた。

「京介と仲が良さそうで妬ける」

「それは、いろいろとお世話になって……」

「で、惚れられたってわけだ」

その件に関しては、不可抗力だと思うんだけど……。
口を尖らせムスッとすると、慶太郎さんの瞳の色が穏やかに変わっていった。

「こんな可愛いもんな。世の男どもが放っとかないのも納得か」

愛おしそうに頬を撫で、甘いキスをひとつ__

「わ、わたしは、慶太郎さんじゃないとイヤ……」

甘えるように首を振ったら、もう一度貪るようなキスをひとつ__

ずっと我慢していたからか、慶太郎さんのキスはどれもこれも刺激的で、その気持ちよさに立っていられなくなってしまった。
腰から砕けそうになる私にいち早く気づくと、素早く抱きかかえられた。

「約束は今晩だし、まだ真っ昼間だしなぁ……」

私をお姫様抱っこしたまま、う~んと悩み始める慶太郎さん。
そ、それって、そんなに悩むこと?
約束はちゃんと守ろうよっ。じゃなきゃ、約束した意味がない。

「慶太郎さん。え、え、えっちは夜にしよう? でも、キスはもっとしたい……かなぁ」

目を合わせずお願いしたら、「了解」と一言ソファーに運こぶ。

「キスだけで、お前をイカせてやる」

そう甘美に囁くと、私の上に覆いかぶさっている身体をゆっくりと重ねた。




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