もっと美味しい時間  

結局慶太郎さんが気になって、簡単にお風呂を済ませると急いで部屋に戻った。
そっと彼に近づく。何度か寝返りは打ったみたいだけど、起きてはいないようだった。
ベッドの縁に腰掛け、慶太郎さんの頬を撫でる。

「キス禁止なんて言ったけど、夜はちょっと期待してたんだよ……」

彼が寝ていることを良い事に、思わず心の声が出てしまう。
何だか私、慶太郎さん色に染まってしまったみたいだ。
そんな自分が可笑しくてフフッと笑うと、もう一度頬を撫でてからベッドに入り、慶太郎さんの隣に身体を寄せた。

「なぁ、今言ったこと、ホントか?」

寝ているとばかり思っていた慶太郎さんがいきなり喋り出し、大声を上げそうになる。
その口を、慶太郎さんの大きな手が押さえた。
目をパチパチさせて驚く私の耳元に顔を寄せると、耳朶を軽く喰み、艶めかしく言葉を囁く。

「期待通り抱いてやる。でも声出し禁止な」

ニヤリと悪魔の微笑みを見せる。
首を何度も横に振り、胸を叩いてダメダメって伝えても、全く相手にしてもらえない。
それどころか、手で押さえられていた口を慶太郎さんの口で塞がれると、巧みなテクニックで私を生まれたままの姿にしてしまった。

「いつもより興奮する……」

そう言って身体を弄り始めると、慶太郎さんの指の動きに快感が走り、身を委ねてしまう。

そして今晩も、快楽の世界へと連れていかれてしまった───
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