もっと美味しい時間
昨晩ちゃんと締めていなかったカーテンの隙間から、太陽の光が差し込み目覚めた。
隣では、まだ慶太郎さんがぐっすりと眠っている。
彼を起こさないように身体を起こし、ベッドから出た。
音を立てないように素早く下着を身につけ服を着ると、窓から外を見た。
「いい天気」
小さく呟くと、そっと部屋を出た。
まっすぐキッチンに向かうと、もういい匂いが漂っている。
「おはよう」
「あら百花、おはよう。早かったのね」
「そう? いつもこの時間には起きるから」
「今日ぐらい、ゆっくりしててもよかったのに。まだ眠いんじゃないの?」
「それ、どういう意味?」
って、昨晩も同じセリフを言ったような……。
「別にぃ~」
ウフフと笑いおどけて見せると、朝食の支度を再開させた。
もしかして、昨晩のこと、知ってる? 覗いてたとかっ!?
いやいや、いくら母でもそこまではしないだろう。
私をからかってるだけと信じたい……。
「私も手伝おうか?」
「大丈夫よぉ。もうほとんど終わってるし。それより、慶太郎さんに朝風呂入ってもらったら? 昨晩入ってないでしょ?」
「そうだね。まだ寝てるけど、ちょっと聞いてくる」
「ごゆっくり~」
何がごゆっくりなんだか……。