もっと美味しい時間
そして、お風呂場から始まってしまった熱く甘い“色事”は、カーテンの隙間から薄っすらと日が差し込むまで、終わることはなかった……。
そして、冒頭のとおり寝坊した……と言うわけです。
だからね、確かに私が謝ることはないんだけど……。
それに、このスチュエーションも気に入らない。
自分はちゃんと服着てるのに、私だけ裸なんて……。素肌に布が擦れると、まだ完全に火照りが冷めてない身体には、かなりヤバくって!!
「また感じた?」
「……感じてない」
「嘘つき。その責任は、今晩ちゃんと取るから」
「け、結構ですっ!!」
私の反応が面白かったのか、いつものように豪快に笑うとベッドから出る。
「じゃあ本当にそろそろ行くわ。一緒に行く奴も出てくる頃だし」
一緒に行く奴?
何故だか急に、昨日のあの人の顔が浮かぶ。
「それって、櫻井京介?」
「はぁっ!? 何で百花が京介のこと知ってるんだよっ!!」
しまったっ……。
昨日のことは櫻井京介が勝手にしたことで、慶太郎さんは何も知らないんだ。