もっと美味しい時間  

サービスエリアに到着しトイレを済ませて出てくると、お茶のペットボトルを持って待ってる慶太郎さんを発見。

「慶太郎さんっ」

そう呼びかけ小走りに近づく。

「はい、お茶」

手に持っていたペットボトルを、私の頬に押し当てた。
その冷たさに一瞬首を窄ませたけれど、すぐに気持ち良さのほうが上回った。

「気持ちいい」

「今日は天気も良くて、ちょっと暑いくらいだもんな。ちゃんと水分補給しとけよ」

「は~い」

まるで子供のように返事をする私を見て、微笑ましそうな顔をする慶太郎さん。

「子供だとか言いたいいんでしょ?」

「想像にお任せします」

そう言いながらも、顔は笑っている。

「やっぱりっ!!」

慶太郎さんを軽く殴ろうとするとその手を取られ、身体を引き寄せられた。
こんなふうにじゃれあってる時間が、ちょっと幸せ。

「さっ、あと一時間ちょっとで到着だ。気合入れていくぞ」

私が大きく頷くと、また慶太郎さんも頷き返してくれた。

緊張も随分と治まってきた。
慶太郎さんのご両親に会うんだから、多少の緊張は仕方がない。
今更カッコつけたって、きっとボロが出るだけだ。

いつもどおりの私で───

そう心に決めると、ご両親に会うのがすごく楽しみになってきた。

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