もっと美味しい時間
「な、何でしょうか?」
水華さんのあまりの落胆ぶりに、心配になって聞いてみる。
すると目をキッと釣り上げて大声を上げた。それも男の声で……。
「慶太郎っ!! こんな貧弱な身体抱いて、満足できてんのかっ?」
「ひ、ひ、貧弱って……」
何で今日あったばかりのおネエに、そんな事言われなくちゃいけないのっ!!
そ、それにこの人、今は男になってる?
そう思うと急に下着姿でいることが恥ずかしくなって、両手で身体を包むとその場にしゃがみ込んだ。
「おいっ邦男! 関係ないこと言ってんじゃねーぞっ!! ここ開けるぞっ」
誰もいいと言ってないのに勢い良くドアを開け、慶太郎さんが駆け寄ってきた。
少し涙目の私を隠すように抱きしめると、水華さんを睨みつけた。
「邦男っ、お前にはもう頼まん。百花、服着ろ」
「で、でも……」
「そうヨォ~。何もそんなに目くじら立てて、怒ることないじゃな~い。冗談よ、ジョウダン!」
ほんとに冗談かよっ!?
って突っ込みたくなる気持ちを抑えて、慶太郎さんを見た。
「きっと悪気は無いんだよ。慶太郎さんのお友達でしょ。仲良くして、ね?」
「それはそうだけど……」
私がそう言っても納得いかないのか、まだブツブツ文句を言っている。
「もうっ、私が悪かったわよ。いい加減、機嫌直してよ。あんたも悪かったわね」
水華さんが少ししょげた顔を見せると、慶太郎さんもやっと腰を上げ立ち上があった。