もっと美味しい時間  

着ていた服や靴を袋に入れてもらい受け取ると、慶太郎さんと一緒に店を出る。

「じゃあな、邦男。また来るわ」

「はいは~いっ!  いつでもどうぞ。まいどありぃ~」

ドアから顔を出して機嫌よく手を振る水華さんの姿は、ちょっと可愛かった。
慶太郎さんが袋を持ってくれる。

「慶太郎さん、服とかの支払いだけど、分割でもいい?」

「はぁっ!? 何言ってんの?  プレゼントに決まってるだろ」

「で、でも、これだけ揃えると結構なお値段が……」

「それを聞くか?  聞いたら驚くぞ」

やっぱり高いよね。私の一ヶ月のお給料では、払えなかったりして……。

「じゃあ、お言葉に甘えて」

「甘えとけ、甘えとけ」

頭をポンポンとされると、子供扱いされてるみたいだけど何か嬉しい。
慶太郎さんの腕に自分の腕を絡め、ありがとうをアピールしてみる。

「そんなにくっつかれると、我慢できなくなるなぁ。昨晩もお預け食ったし」

あぁ、そうだった……。顔を見れば、ニヤリ顔。それはヤバいよね。
そろ~と腕を離そうとしたら、グッと腕を掴まれた。

「何も今逃げることないだろう。このままにしとけ」

やけに機嫌のいい慶太郎さんの言うことを素直に聞き、もう一度腕を絡ませ直すと、さっきまでよりも身を寄せた。

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