もっと美味しい時間
「美味しいっ!」
赤ワインソースがかかったフォアグラのソテーの味は格別だ。
フォアグラの濃厚で舌に絡みつく味が、赤ワインの風味豊かなソースが合っている。
「まだまだたくさん出てくるぞ。楽しみにしとけ」
そう言う慶太郎さんは、自分が食べることより私に食べさせることの方が楽しいみたいだ。
楽しみにしておけなんて、相変わらずの上から目線だけど、今日の私はそんな言葉さえも嬉しくて仕方がない。
慶太郎さんのご両親にも結婚の挨拶を済ませ、本格的に結婚に向かって進んでいけることとなった今日、こんな素敵なサプライズを用意していてくれるなんて……。
手にしていたナイフとフォークを下ろすと、目線を下げた。
このベージュピンクのワンピースもそう。
邦男……もとい、水華さんがチョイスしてくれたとっても可愛いワンピース。これを着た私を見て、慶太郎さんは目を細めていたっけ……。
今までにたくさんの幸せを慶太郎さんからもらってるのに、私は彼に何もしてあげられてない。
いつも甘えてばかり……
もうすぐ彼の奥さんになるのに、毎日多くの社員の上に立って働く慶太郎さんの重荷になってちゃダメだよね。
ウンっと頷き顔上げると、慶太郎さんを見た。