もっと美味しい時間
自分のお肉に慶太郎さんからもらった分も、ガーリックライスと一緒にペロっと平らげると、慶太郎さんが目を白黒させて驚いた。
「本当によく食べるな。この小さな身体のどこに、それだけの量が入るんだよ? この後ここの特製デザートを頼んであるんだけど、食べれるか?」
「えっ? 特製デザート? うんうん、甘いモノは別腹って言うじゃない」
「って言うと思った。じゃあ、お願いします」
慶太郎さんが食べ終えたお皿などを片付けている店員さんにそう告げると、二人っきりになった部屋で慶太郎さんに見つめられた。
肩肘ついて緩やかに微笑む顔は上品で美しく、しばし目を奪われる。
「今晩、どうしようか?」
「ど、ど、どうしようかって言われても……」
別に今更そんな言葉に動揺することもないのに、甘い言葉で囁かれたりしたら、脳までとろけてしまい思考能力が働かなくなってしまう。
スーっと手が伸びてきて頬を包まれると、身体はもう自分のものじゃないように動かなくなってしまった。
「ヤバいなぁ。今すぐ抱きたくなった」
「そ、それは無理じゃない? もう慶太郎さんったら、まだこんな時間から冗談キツいんだから……」
「無理かどうか試してみる?」
目線を外さず近づいてくる顔に、ギュっと目を瞑るを……
「ばーかっ。冗談に決まってんだろ。百花は本当に可愛いなぁ」
「慶太郎さんっ!!」
怒って腕を振り上げると、その手を透かさず取られてしまう。
「今は冗談だけど、今晩覚えておけよ」
その後すぐに美味しそうなデザートが用意されたけれど、慶太郎さんの言葉が頭から離れず、その味を楽しむ余裕がなくなってしまった。