もっと美味しい時間
なんて思ってたのに……。
食事中に取ってもらった部屋に到着すると、直行でベッドに転がり込み意識をなくしてしまった。
慶太郎さんの落胆する溜め息が、聞こえたような聞こえなかったような……。
何と言う不覚。
大して飲んでいないと思っていたお酒。前菜などをワインで楽しんだ後、ビールを飲んだのがいけなかったのか、それとも元々そんなに得意ではないお酒を、昨日は気分が良くなってしまい、自分でも気づかないうちに許容範囲を超えて飲んでしまっていたのか……。
どちらにしよ足がおぼつかなくなってしまったのは、慶太郎さんに触れられて身体が痺れたからじゃなく、酔ったからだったみたいだ。
目が覚めた時にはもう外は明るく、隣の部屋に目を向けると、慶太郎さんはソファーに座りコーヒーを飲みながら新聞に目を通していた。
私が起きたのに気づき新聞をテーブルに置くと、寝室の入り口までやってきてそこにもたれかかり、腕を組むと私をシラッと冷たく睨んだ。
「やっと起きたか、この酔っぱらい」
誇張の優しさとは裏腹にその冷たい目に晒されて、布団を引っ張り上げ顔までスッポリ隠す。
そしてそこで自分の姿を初めて目にして、驚きの声を上げた。
「何でスッポンポンなのぉ~!?」
バサッと布団から顔だけ出すと、周りを見渡してガックリ肩を落とした。