もっと美味しい時間
昨日買ってもらったワンピースだけはちゃんとハンガーに掛けてあったけど、それ以外のもの……下着全般は、あちこちに散らばっていた。
「これは私が脱いだんでしょうか?」
醜態を見せてしまったことに落ち込み、思わず敬語を使ってしまう。
「何だよ、あんなこと無意識にしてたのか? だとしたらお前は、世界一、男を煽る天才だな」
ニヤリと口角を上げるとベッドの上に乗り、ジリジリと私に向かってにじり寄ってきた。
「え、えっと……。私、何したかなぁ~。アハハ……いや~、何も覚えてないから、そんな顔して寄ってこられても困るっていうか、何というか……」
何て戯けてみても慶太郎さんのその顔は変わらず、真ん前までやってくると身体を隠していた布団を一気に捲り上げた。
「ダメッ!!」
そう叫んでも、もう遅かった。
素っ裸の身体が明るい日差しに照らされ、全部丸見え状態になってしまった。
慌てて身体を小さく丸め見られちゃ恥ずかしい部分を隠すと、顔も隠したまま慶太郎さんに向かって言葉を放つ。
「酔ってしちゃったことを責められても困る。けど、ちゃんと謝るから許して、お願い……」
そうだよ。私だって、慶太郎さんとエッチしたかったんだからっ! そのつもりでいたんだから……。
昨日の夜の思いを思い出すと、涙が出てきてしまった。
グズグズと鼻をすすり肩を震わせていると、その身体をふわりと温かい肌の感触で抱きしめられた。