もっと美味しい時間  

「逃げるな。って言うか、イヤなら止めるけど?」

そう言ってニヤリと笑う、慶太郎さんはやっぱり意地悪だ。
イヤやダメは“もっと”の裏返しの言葉だってことを知ってて、私をイジって何かを言わせようという魂胆なんだ。

でもね……

それ以上のことを望んでしまってる私の身体は、すんなりと彼に向かって言葉を放ってしまう。

「やめ……ないで……」

「正直に最初からそう言えばいいのに。昨日の夜は煽られるだけ煽られて、結局何もなしだったからなぁ……。朝でも手加減なしでいくから、覚悟しとけよ」

悪魔のように笑いながら、私の中に入っている指を容赦なく動かすさまは、本当の悪魔なのかもしれない。

「んんっ……あんっ……。覚悟もなにも、私……何をしたか、覚えてなっ……!!」

私の言葉を遮るように増やされた指は、中で一本一本違う動きをさせて、私の身体を弄んだ。

指だけで溶け出してしまった私の身体は、もう立てていられなくなってしまい、慶太郎さんの胸に倒れ込む。
しばらく慶太郎さんの汗ばんだ肌に身を摺り寄せながら気持ち良さに漂っていると、いきなりその指を引き抜かれてしまった。

何? っと顔を上げると、慶太郎さんは私の身体をベッドにうつ伏せで寝かせ、自分は起き上がる。

「百花悪い。もう限界」

その意味が理解できないうちに腰をガシっと掴まれ、お尻を突き上げられる。
初めてする体位に恥ずかしさを覚え、お尻を下げようと必死に腰を動かした。けれど、どうもそれが逆効果だったみたい……。
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