もっと美味しい時間
本当にトイレに行きたかったわけじゃないから、そのままの格好で便座に座る。
口から吐いて出て来るのは、さっきから溜め息ばかりだった。
明日香さん、私のことが相当嫌いみたいだよね。
どこがそんなに嫌なんだろう……。
顔? 美貌? 全体のバランス?
もしこれらが私を嫌いな理由なら、今更どうしようもないというか……。
あっ! 明日香さん好みに整形って手もあるかっ!!
……なんて、私は何を考えちゃってるのよ。
年下だから? それとも性格?
年齢はどうすることも出来ないけれど、性格なら今からでも改善の余地があるかもしれない。
でもどうやって? そもそも、まだ会ってそんなに経ってないんだから、性格なんて分からないよね?
あぁぁあああああっ!!!
もうどうしたらいいのか、何が何なのか、全くわかりませんっ!!
頭を抱えて小さくなっていると、コンコンと誰かがトイレの扉を叩く音が聞こえた。
「百花、大丈夫?」
「美和先輩?」
「フフ、先輩に戻ってるけど、まぁいいか。ちょっとここ開けて。漏れちゃいそうなんだけど」
「あ……ごめん」
慌てて鍵を開けるとガバっとドアを開けられ、そのドアを閉められないように美和先輩が身体を滑り込ませた。
「漏れそうなんて嘘! いつまでここにいるつもり? 言ったでしょ? 何も云わないで逃げてるだけじゃ、何も変わらないって」
「分かってる。分かってるから、ここでどうしたらいいのか考えてたんだけど……」
「だけど?」
「答えが出なくって」
私の言葉を聞いて先輩がフッと笑うと、肩をポンポンと叩く。