もっと美味しい時間
一人分? 何を? あっ!! 料理かっ!?
一人分……一人分……それって、もしかしてっ!!
「櫻井京介が来るとか言わないよね?」
『百花、大正解っ!!』
「…………」
『頼むっ百花っ!! どうしても断れなかったんだ。なるべく早く帰らせるからさ』
「絶対?」
『絶対っ!!』
「約束破ったら?」
『百花が前から欲しがってたオーブンレンジ、買ってやる』
うぅ……約束は破ってほしくないけど、オーブンレンジは欲しいっ!
何かうまく丸め込まれた感はあるけれど、慶太郎さんの立場もあるからここはしょうがない。特に絡まないようにすれば、大丈夫だろう。
「分かった」
少しだけムスっとした声を出し、大丈夫なことを伝える。
『助かった……。あいつ怒らすと、あとが怖いからな』
櫻井京介。慶太郎さんさえも怖がらせるとは、侮れない。
いったい、どんな人物なんだろう。って、いまそんなこと考えてても仕方ない。
慶太郎さんに帰ってくる時間を確認すると、電話を切った。
「予定通り、5時帰宅っ」
自分にそう言い聞かせると、晩ご飯に支度に戻った。