もっと美味しい時間  

「最低って言う人が最低なのっ!!」

「なんだよっ!」

「なによっ!」

「あ~、はいはい、そこまで。二人とも、ちょっと落ち着いたらどう?」

美和先輩の一言で、その場が静まった。
フンっと、お互いの顔を見ないよう反対の方向を向き、座り直す。
興奮しすぎたのか、息が上がってなかなか落ち着かない。

「ちょっと言い過ぎかもしれないけど、寺澤の言ってることはあながち間違いじゃないと思うよ。本当に諦めちゃうの? その綾乃って人に言われっぱなしでいいの?」

「……嫌だ」

「だったら、すぐに行けばいいじゃん。慶太郎さんは渡さないって言ってやればいいじゃん」

寺澤くんもいつの間にかこっちを向いていて、うんうんと頷いていた。

「美和先輩、寺澤くん……。本当はね、しばらく週末に行くの止めようと思ってたんだ。けど、やっぱり行ってくるっ。綾乃さん、相当手強そうだけどね」 

そう言って苦笑して見せると、先輩たちも笑い出す。
よっしゃーっ!  いっちょ頑張ってみますかっ!!
だって慶太郎さんは、世界で一番大切な人。誰にも渡せないからね。今週末までに、慶太郎さんが喜びそうな料理考えなくっちゃ。

「お腹空いたっ!!」

「俺もっ!!」

もう一度箸を持つと、目の前の美味しそうな料理を片っ端から食べ始めた。
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