もっと美味しい時間  

「まぁ半分本気、半分冗談ってことで」

「…………」

「昔の慶太郎と随分変わってるし、百花ちゃんに一途って感じバンバン出てたから大丈夫だとは思うけど。あいつと綾乃、昨日から二人で出張中でさ」

はぁ!? 出張中?  しかも綾乃さんと二人でっ!!
あり得ない。昨晩も慶太郎さんと電話で話したけど、そんな話聞いてないっ!
何で隠す必要があるの? やましい気持ちがあるから?

居ても立ってもいられない気持ちになり立ち上がると、カフェオレ代をテーブルに置き店を出た。
その様子を見ていた京介も、慌てて追いかけてきた。

「百花ちゃん、待てよっ!」

「待たないっ!!」

早歩きで歩いていても背の高い京介にすぐ追いつかれて、腕を掴まれてしまう。

「待てって言ってんだろっ!!」

強制力のあるその声に身体がビクッと反応し、足が止まる。

「別に何かあったって言ってる訳じゃない……」

「だったら何で私に話すのよっ!!」

腕を大きく振り払って、京介の腕を振り払う。
今週末、大阪に行くと決めたのに、綾乃さんと戦うって決めたのに、決心が揺るぎそうになる。
慶太郎さんにとって邪魔なのは、私の方じゃないのかと……。
また弱い自分が顔を出すと、頭が痛くなってきた。その場にしゃがみ込み、痛む頭を抱える。
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