もっと美味しい時間
「どうした? 気分悪いのか?」
京介が心配そうに横にしゃがむと、顔を覗きこんできた。
「京様……。慶太郎さんに会いたい……」
「…………」
「会ってもう一度、気持ちを確かめたい。綾乃さんにも、私の気持ちを伝えたいっ!!」
道路に座り込みそう叫ぶと、涙が一粒零れた。
悲しくて出た訳じゃやない。
会いたいのにすぐ会えない、そばに居たいのにいられないもどかしい気持ちから出た涙だった。
慶太郎さんは私のことを裏切らないと信用しているはずなのに、心の何処かではもしかしてと疑ってしまう自分にも腹が立つ。
大阪に行って二人に会って、何かがすぐに変わるわけじゃないかもしれない。
それでもすぐに大阪に行きたかった。
「俺、午前中で用事済んで午後一であっちに戻るんだけど、一緒に行くか? 慶太郎が戻ってくるのは……」
そう言って手帳を開く。
「4時か5時ってとこか。直接会社に行けば、ちょうどいい時間だな」
私の両肩を掴むと、ゆっくりと立たせてくれる。
顔を上げ京介の顔を見ると、またもプッと吹き出して笑われてしまった。
「そんな情けない顔するな。可愛い顔が台無しだぞ。……全く、俺の気持ちも少しは分かれよ」
何を言っているのか分からないまま頬を軽く抓られ、顔をしかめた。