もっと美味しい時間
「高垣課長っ。お願いしますっ!!」
「そう言われてもなぁ~。お前、仕事どうするんだよ?」
「そ、そうですよねぇ……」
京介と大阪に行くと決めたのはいいけど、途中やりの仕事があったんだよなぁ。いきなり昼から休ませて下さいと言ったって、無理な話だよね。
それでもどうにかしなきゃと課長の前で立っていると、さっき出勤してきた美和先輩と寺澤くんがやってきた。
「百花、それは大阪に戦いに行くわけ?」
「うんっ、そのつもり」
戦うという言葉が出て、私と美和先輩のただならぬ雰囲気に、課長が立ち上がる。
「おいおい、戦いって……」
「課長は黙ってて下さいっ!」
美和先輩の一喝に、小さくなって座り込む課長。
「何かあった訳だ」
「まぁそんなとこです。綾乃さんにもビシっと言ってやりたいこともあるし」
「そっか……。寺澤くん、もう一つ仕事増やせる?」
「俺はオッケーですよ。藤野の一大事、ですよね?」
私の方を向くと、バシッと肩を叩かれる。
痛いなんて言ってられない。感謝の気持で胸がいっぱいになると、二人に深々と頭を下げた。
「高垣課長。百花の仕事は私たちでフォローするので、休みの方よろしくお願いします」
美和先輩に賛同するように、主任や課の仲間たちも「仕事は心配しないで」と声を掛けてくれた。
「藤野。お前はいい仲間に支えられてるな。分かった、行ってこいっ!」
課長のお許しが出ると、場が一気に盛り上がる。