神名くん
私は、それから先生を直視することなど出来なかったのです。あまりにも失礼な発言に自分が恥ずかしくなったからでしょう。ですが、彼には聞きたいことがあるのです。私は、神名くんの仕事を知りません。何をしているかを聞きたいと思ったこともあったのですがこれ以上彼に触れたらいけない気がして仕方なかったのですが、今日の休み時間の時に慎一が言っていた言葉が妙にひっかかるのです。
彼は確かに回収すると言っていました。それは、先生の魂などを回収すると言うことでしょう。きっと、夜中に出ているのも死んだ方たちの魂を回収をするために出ているのでしょう。それでいたら、今先生は私の中ではなくどこかは分からないですが神名くんに回収をされているはずなのです。ですが、先生は此処にいて、今私めと会話をしているのです。これは、いいことなのでしょうか。死んだ方と接することはいいことなのでしょうか。
わからない。わからないのは、今の現状だけではなく、先生はどうして回収されることなくここにいると言うことが何よりも分からないのです。下げていた顔をそっとあげ先生を見やります。そして、私は口を開いたのです。
「どうして、先生は今ここにいるんですか。何か思い残すことでもあるのですか。」
私は、確かにそう言いました。すると、先生は目を光らせこちらを見るのです。そして、うなだれるかのように頭をさげ、手元をじっと見つめていました。きっと、何かあったのでしょう。それを、いち生徒である私に告げるかどうかを悩んでいる様にも見えるのです。私は、どうすることも出来ずただそっと、先生を見続けることしかできなかったのです。