饅頭(マントウ)~竜神の贄~
「あなたも、そういう人なのではなくて? 中央の神官なのでしょ?」
軽蔑を宿した瞳で、神明姫が虎邪を見る。
虎邪は大袈裟に肩を竦めた。
「虎邪は、そういうのを嫌って、真面目に神官の勉強をしていないのですよ」
緑柱が、何気にフォローにならないフォローを入れる。
神明姫は、ちょっと複雑な表情で虎邪を見た。
「神官・・・・・・では、ないのですか?」
「一応、神官・・・・・・ではありますよ。ていうか、力があったんでね。才能が半端なかったっていうか」
へら、と笑う。
そのしゃあしゃあと己を褒める態度といい、軽い物言いといい、才能がある人間とも思えない。
「虎邪は貴族の御曹司だったんですけどね、昔から神殿で遊んでいたせいか、そういう力が人より優れて。それに目を付けた神官が、虎邪を養子にしたのですよ」
貴族の御曹司・・・・・・。
そういう風にも見えない。
たまに、はっとするほど上品に振る舞うが、基本的には俗っぽい。
神官にスカウトされるような優秀な人材にも見えないし、身分ある人間にも見えない。
怪訝な表情でまじまじと見る神明姫に、虎邪はさらに表情を崩して、へらへらと笑った。
軽蔑を宿した瞳で、神明姫が虎邪を見る。
虎邪は大袈裟に肩を竦めた。
「虎邪は、そういうのを嫌って、真面目に神官の勉強をしていないのですよ」
緑柱が、何気にフォローにならないフォローを入れる。
神明姫は、ちょっと複雑な表情で虎邪を見た。
「神官・・・・・・では、ないのですか?」
「一応、神官・・・・・・ではありますよ。ていうか、力があったんでね。才能が半端なかったっていうか」
へら、と笑う。
そのしゃあしゃあと己を褒める態度といい、軽い物言いといい、才能がある人間とも思えない。
「虎邪は貴族の御曹司だったんですけどね、昔から神殿で遊んでいたせいか、そういう力が人より優れて。それに目を付けた神官が、虎邪を養子にしたのですよ」
貴族の御曹司・・・・・・。
そういう風にも見えない。
たまに、はっとするほど上品に振る舞うが、基本的には俗っぽい。
神官にスカウトされるような優秀な人材にも見えないし、身分ある人間にも見えない。
怪訝な表情でまじまじと見る神明姫に、虎邪はさらに表情を崩して、へらへらと笑った。