研修の夜
これって客観的に見たら抱きしめられてるよね、絶対。

だったら、今、私が嶋田くんの背中に腕をまわしたらどうなるんだろう……。受け入れてくれるかな。


できるなら腕をまわして彼を抱きしめたい。そんなことを考えたけど、それを実行に移すことはできなかった。


だってもし嶋田くんに特別な感情は無くて、ただ私の腕をおさえるためだけにこうやってるんだったら。

自分の勘違いで彼を抱きしめるなんてことになったら、恥ずかしくて今後顔を合わせられないし。まだ明日もその先も研修はあるのに絶対無理!

気持ちを伝えるチャンスなのかもしれないけど、これはリスクが高すぎる。



妙に冷静にいろいろ考えている間に、嶋田くんはすっと腕を元に戻した。彼は特に何も言うことなく、普通の様子。


それを見て、さっき腕をまわさなくてよかったと思った。もし嶋田くんが意図的に私を抱きしめようとしていたのなら、その後きっと何らかのアクションを起こすだろうし。

あー、良かった、早まらなくて。もう少しでとんでもないミスをするところだった。ナイス、私。


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