ポチタマ事件簿① ― 都会のツバメ ―

 おそらく、これは実話ではなく、課長のネタ話なのだろう。
 ポチたち課員は愛想笑いをした方が良いのか迷った。
 課長は笑いをさっとひっこめて、改めて眉間にしわを寄せる。

「大島ァ! おまえが俺と同じ行動をして、それで表沙汰になったんなら、そりゃ仕方ないだろう。だが、実際にはどうだ? おまえはなにもやってねーだろうが! 違うか!?」

「――はい、すみません」

 うつむくポチに対し、さらに課長は怒鳴ろうと息を吸い込んだ。
 それを遮るように、課員の一人が恐る恐る声をかける。

「あ、あの、課長、外線に警察から電話です……」

「チッ!」

 課長は舌打ちをして受話器を取った。

「ハイ! お電話代わらせていただきましたぁ。ハイ、ハイ、いつもお世話さまでございますぅ~」

 課長の変わり身の早さは天下一品だと、ポチは思った。

「ハイ! ハイ! ハイ! かしこまりました! では、のちほど、ウチの者を向かわせますので! ハイ、失礼いたしますぅ~」
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