ポチタマ事件簿① ― 都会のツバメ ―
古いマンションについているインターフォンの画質はこんなものである。
管理人はこの画質で見慣れていた。
訪問者の顔が見えないことなど意に介さない。
「あぁ、お待ちしてましたよ。――いま開けます」
管理人が解錠ボタンを押した。
自動ドアが開き、刑事がエントランスへ入ってきた。
管理人が管理人室のドアを開け、
「こっちこっち」
と、手招きして刑事を呼んだ。
若い刑事は、礼儀正しく一礼してから入ってきた。
「おじゃまします。――あれ、ポチじゃないか?」
開口一番、若い刑事はポチを見て声をあげた。
「やっぱりシロか」
ポチは笑いながら手をあげた。
管理人は、ポチと白田刑事――シロを交互に眺める。
「なんだい、知り合いかい?」
「ええ、同級生です」
「高校・大学と一緒で、アダ名が『ポチ』『シロ』だったんで、犬コンビとか呼ばれてました」
ポチとシロは複雑な笑いを浮かべた。