ポチタマ事件簿① ― 都会のツバメ ―
「でも空振りだろ? ウチの管理人だって知らないんだし――」
ポチは管理人をちらりと見た。
管理人はウンウンとうなづいている。
「あ、写真とかはないのか?」
「一応、あるけど」
シロは手帳から一枚の写真を取り出した。
「でも、ポチも管理人さんも、鈴木氏と会ったことないんだろ?」
シロは写真を管理人へ渡した。
それは社員旅行の写真のようだった。
「うーん、見覚えないですなぁ」
管理人は写真を片手に、眼鏡を外したり、写真を遠ざけたりして見た。
ポチは管理人の後ろから、ひょいっと写真を覗き込んだ。
「あっ!!」
ポチの大声に、シロと管理人は驚いた。
ポチは写真を凝視している。
「似てる……。たぶん、この人だ」
シロの表情がすっと鋭くなる。
「ポチ、知ってるのか?」
「――昨夜、ウチの管理物件で自殺した人だよ」