不器用な恋人【短編】
聞こえてくるのは
頭上からの寝息と
目の前にある広い胸からの鼓動。
ヤバいって…
幸せすぎる…!!
「…真樹??」
呼びかけるものの、やっぱり返事はない。
「寝てるんだ…よね??」
自己確認。
「……すき」
蚊の鳴くような小声で……
ついに………
言っちゃった!!!!
こんな幸せな時に言わずにいられない!!
でも、寝てなきゃ言えない!!!
「シャワーしよ…」
やっぱり、少し頭を冷やさなきゃ……。
起こさないように…
そっとそっと真樹の腕から抜けてバスルームへ行く。