俺たち陰陽師!!!!!



「奴等が予定より早く動き出したみたいですよー」

「奴等?」

悠太が聞き返した。
悠太は涼子にハンカチを渡していた。
やっぱり、悠太は優しいと、改めて実感する。

「奴等、ですか?……奴等はですねー、“悪”側の人たちです。人といっても妖魔と合体した…そうですね、刹那クンのような人間が集結しています」

「ならっ…」

俺は剣を握りしめ、唇を震わせた。
ジャスは目を細め「えぇ」と言った後苦しい現実を物語る。

「夜月晃汰もあちら側の者ですねー」

「……こ…た…」

涼子は泣きじゃくりながらそう呟く。
そんな涼子に胸が痛んだ。

“「彼はもう、アナタの父を殺した妖魔と同様、“悪”側に既に着いております」”

ジャスが言ったこの言葉が涼子と俺の頭から離れなかった。
きっと、この言葉がより一層、涼子を苦しめたのだろう。
俺は唇を噛んだ。

「俺は、どうすればいい?」

するとジャスは嬉しそうに笑い、声を張り上げた。

「戦うのです!!その美しき黒曜の刃で!!」

俺は剣を構えた。

『主よ……』

「なぁ、ブレイク、剣のしまい方って、どうするんだ?」







―――…










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