俺たち陰陽師!!!!!



恋人。
その言葉に妙な感覚を覚える。
そして蘇る。
大好きなあの人が。

“「晃汰!!」”

長いキレイな髪を靡かせ、可愛い笑顔で晃汰に両手を広げて走ってくる。
けど。

「晃ちゃん?」

「いないよ、恋人なんか」

晃汰は彼女を受け止めなかった。

「……そう、なら」

するとルイスは晃汰の首から腕を解き、晃汰を見据えた。
そして唇に人差し指を当てた。
雨に濡れた肌が色っぽくも見える。

「アタシと……シない…?」

「おい、ルイス、晃汰。何をしているんじゃ」

Kが振り返り、言った。
晃汰は何もなかったように、首を振った。

「なら良い、では」

皆は不適に笑い、Kは手を空に上げた。
するとKの手に雨が集まって大きな刃となった。

「実行じゃ……!!!」

Kはその雨が集結してできた氷の刃を夜月家に投げ込んだ。







―――…









雨が叩き付ける程に強さを増し、空はどんよりと暗くなる。
そんな中、涼子をおぶる俺と、その後ろに悠太とジャスが走る。

「奴等の作戦って!?」

俺は肩に乗る赤いスカーフを着けた黒いリス――ブレイクに聞いた。

『きっと最悪な場所だ』

「はぁ!?」

『主の家だ』

「!?」

心臓が止まりそうになった。







< 58 / 132 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop