俺たち陰陽師!!!!!
恋人。
その言葉に妙な感覚を覚える。
そして蘇る。
大好きなあの人が。
“「晃汰!!」”
長いキレイな髪を靡かせ、可愛い笑顔で晃汰に両手を広げて走ってくる。
けど。
「晃ちゃん?」
「いないよ、恋人なんか」
晃汰は彼女を受け止めなかった。
「……そう、なら」
するとルイスは晃汰の首から腕を解き、晃汰を見据えた。
そして唇に人差し指を当てた。
雨に濡れた肌が色っぽくも見える。
「アタシと……シない…?」
「おい、ルイス、晃汰。何をしているんじゃ」
Kが振り返り、言った。
晃汰は何もなかったように、首を振った。
「なら良い、では」
皆は不適に笑い、Kは手を空に上げた。
するとKの手に雨が集まって大きな刃となった。
「実行じゃ……!!!」
Kはその雨が集結してできた氷の刃を夜月家に投げ込んだ。
―――…
雨が叩き付ける程に強さを増し、空はどんよりと暗くなる。
そんな中、涼子をおぶる俺と、その後ろに悠太とジャスが走る。
「奴等の作戦って!?」
俺は肩に乗る赤いスカーフを着けた黒いリス――ブレイクに聞いた。
『きっと最悪な場所だ』
「はぁ!?」
『主の家だ』
「!?」
心臓が止まりそうになった。