俺たち陰陽師!!!!!
なんだろうか。
足が震える。
呼吸が荒くなる。
胸が、苦しい。
「セー……ちゃ…?」
耳元で聞こえた優しい声。
それがとてつもなく愛しい。
俺は唇を噛み、足を動かし、悠太の方に向かう。
当然のように悠太は恐ろしいものを見たかのような表情をしていた。
そして俺に向けた視線。
「刹那……」
声は掠れていた。
俺は涼子を下ろし、悠太にもたれかからせる。
「…リョーを、頼んだ…」
「は……?」
俺はブレイクを肩に悠太とジャスに背を向けた。
「…行くんですか?」
ジャスの言葉に頷く。
するとジャスは言う。
「薬、呑んでからにしてくださいねー」
「…わかってる」
「刹那っ!!」
俺とジャスを割って悠太が叫ぶ。
悠太はうっすらと目を開いた涼子を支えたまま、俺に訴える。
だが俺は悠太を無視し燃え盛る我が家に向かって歩き出す。
「刹那っ……」
悠太の声は虚しく響くだけ。
俺は既に、朦朧とした意識の中をさ迷っているのだから。
俺は目を瞑り意識を一点に集め出す。
すると形はみるみると剣となり、黒曜石のように光り輝く。
そして。
『お見事』
右手に青光りする程の見事な剣が収まっていた。
途端に鮮やかになり、視力が良くなる。
左目には緑、右目には青の火が灯される。
「……セーちゃん…」
背後で呟く涼子。
けれど、今俺は涼子の声に耳を傾ける程、余裕はなかった。