身勝手な恋情【完結】
彼は背がすらりと高くて、手足が長い。
空気抵抗なんて感じさせない雰囲気で、かろやかに、そしてまっすぐに私に向かって走ってくる。
けれど数メートル先で級に立ち止まって。
ゆっくりと歩いて近づいてきた。
きちんとした三つ揃いのブラックスーツだ。
臙脂のピンストライプがとても蓮さんに似合っている。
いつも割とカジュアルだけど、こういうの、似合うんだぁ……。
硬質に見せかけて、とてもセクシー。本当に素敵。
そしてなんだかくすぐったい……。
見惚れているのを気取られるのが恥ずかしくて、目線を落とし、持っていた招待状を彼に差し出す。
「これ、祐さんから預かってきました」
「ああ、聞いてる」