身勝手な恋情【完結】
どういうことかと顔を上げると、ぐいっと腕をつかまれる。
「お前が一緒に来なくて、誰が俺の面倒を見るわけ?」
切れ長の美しい瞳に魅入られて、一瞬ぽーっとなりかけたけれど。
「え……だ、だけど、着るものが、そんな用意してな……」
「借りてきてる」
「へ……」
そして蓮さんは大きな箱が入っている紙袋を持ち上げた。
彼が持っていたその紙袋に印刷されている文字は……Charles・M
シャルル・M!!!
偉大なるメゾン、美しきクチュール!
どうやらここに来る前、シャルル・Mに寄ったらしい。
普段着でいるに違いない私のため……?
勘違いだとしても、私のことを考えてくれたんだとしたら嬉しい。