身勝手な恋情【完結】
「蓮さん、あのっ……」
だけど腕の中に彼を感じた瞬間から、なんて言ったらいいのかわからなくなった。
『彼女』はいったい誰なの?
蓮さんとどんな関係なの?
聞きたいことはしっかりとわかっているのに、いざそれを言葉にして口に出そうとすると、無言を貫く蓮さんの空気に抑え込まれてしまった。
「――い、」
「え……?」
蓮さんがしびれを切らしたように、何かをぼそりとささやいた。
今、なんて?