身勝手な恋情【完結】

それがあまりにも勢いが強かったものだから、ドアノブをつかんだまま私の体はぐらりと前のめりに倒れて――


こ、転ぶーーー!!!!!


ぎゅっと目をつぶった刹那、体全体にドスンと衝撃。



え……?


恐る恐る目を開けると、肌触りのいいコートの胸元に顔をうずめていた。


ん?

どういうこと?



「――失礼」



頭の上から響く低い声は艶があった。

それからふんわりと、甘いジャスミンの香りがして……。

そこでようやく、転びそうになった私はそのままドアの向こうの彼にぶつかってしまったんだ、と気付いて、慌てて後ずさる。



「すすすすすす、すみませっ、きゃあっ!」



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