身勝手な恋情【完結】
なのにかかとが床にひっかかって、今度は後ろに転びそうになってしまった。
目の前の彼が私へと両腕を伸ばすのと、視界が天井へと変わるのはほぼ同時だった。
ガシャン、と何かが割れる音がして。次の瞬間、肩と背中をつかまれ、もう一度彼の腕の中に引き寄せられていた。
心臓が破裂しそうにドキドキしてる。
「あ、あ、あの、ごめ、ごめんなさっ……」
「――落ち着いて。大丈夫だから」
「は……はいっ……」
肩の上でしっかりと包み込まれるような手のひらの感覚に、目眩がした。
まだ心臓がドキドキしてる……。