身勝手な恋情【完結】
手のひらを開いたり閉じたりしていると、
「大丈夫ですか!? っていうか薫さん、それ、割れたんじゃ!?」
カウンターの中から店主が飛び出してきて、床に落ちた紙袋を持ち上げる。
「え……」
私が後ろにスッ転びそうになった時、彼は持っていた荷物を手放して助けてくれたってこと?
そういえばガシャンって音がしたかも……。
サーッと顔から血の気が引く。
「すみません、あの、中身、大丈夫ですかっ!?」
ハラハラしながら、店主がカウンターの上で紙袋から箱を出す手元を見守ったのだけれど――
「あー……」
「わ……割れてるぅ……」
ガクッとその場にしゃがみ込んでしまった。