身勝手な恋情【完結】
それはとてもきれいなカップだった。
色とりどりの小花柄で、金彩が施されている。マイセンだ。
そのマイセンが、がっつり欠けている。
どうしよう……私のせいだー……!!!!
「すみません、弁償します!」
床を見つめたままよろよろ立ち上がり、そのまま深々と頭を下げる。
コートなんか買うんじゃなかったー!!!!
あのコート三枚分もするカップを割ってしまった!!!!
絶望に打ちひしがれながら必死で頭を下げる。
「申し訳ありません、本当に、あの、」
「いや、その必要はないよ」
「でもっ……私のせいで!」
顔をあげた瞬間、息が止まるかと思った。