身勝手な恋情【完結】
それなりに年上の彼を「愛おしい」と思うのはなんなんだろう。
「――なんでひよが泣くわけ?」
蓮さんがふっと息を漏らすように笑う。
理由なんて説明できない。
両親に当然のように愛されて、ごくごく普通に育った私からしたら、蓮さんの昔話は重くて、辛くて――
だけどそれは「可哀想に」と同情しているとは違っていて……。
辛いことがあるのなら、私が癒してあげたい
癒せないのなら分け合いたい――
彼が泣くぐらいなら、私に私が泣いたっていい……
私の体の中で激しく渦巻くのは、そういう感情だった。
ただ、愛おしいと思う、感情だ。