身勝手な恋情【完結】
蓮さんを一人にしたくない。
優しくしたい。愛したい。
「こら、ひよこ、泣くなよ。お前のこと泣かせたいけど、こういうのは困る」
冗談ぽく笑って、蓮さんは私のあごさきを伝う涙を唇で受け止める。
だけどその声も、唇も死ぬほど優しくて、また胸がかきむしられるほど切なくなった。
「蓮さん……」
震える唇から伝わる、蓮さんの優しさ。
私が泣いてるから、本当に困ってるんだ。
じゃあ、泣かせて。
私に違う涙を流させて。
「蓮さんの、ばか……」
「誰が馬鹿だよ。おまえに言われたくない……」
彼に体重をかけると、蓮さんの手が背中へと周る。
そのままゆっくりと床に倒れ込んだ――。