身勝手な恋情【完結】

いっそのことインスタントですませようかと思ったけれど、そうすると蓮さんは匂いでもう飲まないことはわかっているので、とりあえずドリップを大急ぎで淹れる。



よし、出来た!


トレイにコーヒーを乗せ、ドアの前で深呼吸をしてからノックをする。



「どうぞ」



中から祐さんの声がして。



「失礼ます」



おそるおそる応接間の中を覗き込むと、蓮さんはソファーに座ってすらいなかった。


あれれ……?


と、視線を巡らせて、ひんやりした空気にギクッと立ち尽くす。



< 230 / 469 >

この作品をシェア

pagetop