身勝手な恋情【完結】
祐さんは申し訳なさそうに眉根を寄せカップをカウンターテーブルの上に置く。
「櫻さん、たまたまあそこに居合わせただけで変に迷惑かけちゃって……」
「――いえ、そんな迷惑なんて」
それにたまたまでもないし……
その蓮さんのことを祐さんに聞きたいと思っていたから、一瞬なんといったものかと無言になってしまった。
いや、こんなことでひるんでいていったいなんになるというんだ。
決めたじゃない。もう目を逸らさないって!
勇気を振り絞り、こぶしを握る。
顔を挙げて祐さんの顔を正面から見上げた。
「蓮さんのお母さんに会いたいんです!」
「え!?」
あっけにとられたように、その優しげな瞳を丸くする祐さん。