身勝手な恋情【完結】
そしてその日の深夜。
蓮さんはふらりと、本当に何事もなかったかのように私の部屋に姿を現した。
「蓮さん……」
鍵を開けると同時に玄関の中に入ってきた彼は、なんだか所在なさげにドアにもたれて動かない。
いつもならズカズカ部屋に入ってくるのに……。
もしかして遠慮してる?
うつむく彼の顔を見ただけで泣きそうになった。
だってすっごく痩せてるんだもの……。
「蓮さん、ごはん食べます? 今日、ポトフなんです」
だけど泣いちゃだめだって思った。
私にできることなんてたかが知れてる。だったら私は私にできることをするんだ。
私に会いに来てくれた蓮さんを、少しでも明るい気持ちにしてあげたい。