身勝手な恋情【完結】
それから蓮さんは、無言で私を抱きしめ続けた後、涙が止まったのを確認してからお会計を済ませ、寝ぼけている祐さんをタクシーに押し込み、私の手を繋いで歩き始めた。
どこに行くんだろうと思いながらも、大人しく手を繋がれ、ぐるぐるに巻いたマフラーに顔をうずめ、すんすんを鼻をすすりながら歩く私。
頭がボーっとしてる。
なんかもう、ぐちゃぐちゃだ……。
「へくしゅっ……」
風があんまりにも冷たくて、くしゃみが出る。
うー寒い……。
「――」
視線を感じて。ぼーっとしながら顔を上げると、歩きながらも無言で私に視線を向ける蓮さんと目が合った。
「まだ歩ける?」
「え、あ、はい……」
「俺ん家、すぐそこだから」
「え……?」
「青天目ビルヂングから歩いて5分」