身勝手な恋情【完結】
そして、蓮さんがペラリ、ペラリとページをめくる音と、私がマウスを時々動かすカチッ、カチッという音だけが部屋に響く。
なんだかいいなぁ、こういう時間。
静かで、穏やかで、ゆっくりした時間……。
――――……
「――蓮さん、ずっと一人で暮らしていたから……だから、部屋という空間に興味を持ったんですね」
「うん。そうだよ。小さいころからお手伝いさんがいたけど、だだっ広い家に一人だった……。
家を追い出されてからは、少しの間祐のところにいたけど……あったかいあの家が、また俺には居心地が悪くて……どんな家だったら、俺は不安にならないんだろう、寂しくならないんだろうって……ずっと答えを探していて……気が付いたら、ここまで来てたって感じだね」
コラムにそうハッキリ書いていたわけではないけれど、過去の蓮さんの話を聞いていたから、記事を見てそうなんだと感じた。
で、蓮さんの言葉を聞いて、すとん、といろんなことが腑に落ちる。
マウスから手を離して、上半身をよじり蓮さんの広い胸に頬を押し付けた。