身勝手な恋情【完結】
あれ。聞いちゃまずかった?
一瞬焦ったけれど、可憐さんはぎゅっと唇をかんでうつむいた。
「――見られたからわかってると思うけど、まったく相手にされてないの。織音、年下にはまったく興味ないんだ」
「そう……なんだ」
「で、この人……が、織音の思い人なの。きれいな人でしょ……本当、天使みたいで……ものすごく美人。今じゃ人妻なのに、織音ったらこの頃からずっと好きなんだって」
切り抜きの美少女に可憐さんは目線を落とし、深くため息をつく。
ふと蓮さんと知寿さんのことを思い出して。可憐さんがその関係を知っているはずはないのだけれど、胸の奥がヒヤッとした。
「まぁ、今、日本にいないらしいし。周りのみんなが言うには、織音にとって彼女は聖母様みたいなものなんだって。聖母って女扱いとはちょっと違うよね。だから私諦めてないし! 今はいい女になるため修業するんだ」
「修業中……」
「そう。今はまだ……私、子供で、織音には迷惑かけるくらいでしか構ってもらえなくて……自分でもいやになっちゃうけど。だけどいい女になったら……もしかしたらチャンス、あるかもしれないって……」